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私たちが日頃使っている紙には、いろいろな種類のものがあります。
これらの紙の中には、新聞紙、教科書用紙、印刷紙などがあり、木材繊維を短くし、
紙すき機械で長く巻き取り紙をすく方法でつくられます。このように木材で作る紙を洋紙といいます。
一方、植物の皮の長い繊維(こうぞ、みつまた、がんぴなど)を主原料に一枚一枚丁寧に手作業で作る紙を手すき和紙と言います。八女地方では、この和紙づくりが古くからさかんで、今なお多くの人々に愛されています。
(1)手すき和紙のはじまり
八女手すき和紙は、越前の今立群五箇村(いまだてぐんごかむら)出身の日蓮宗の僧であった日源上人(にちげんしょうにん)が全国行脚の途中、八女に立ち寄ったことから始まったと言われています。日源上人は、矢部川の清流や和紙の材料となるこうぞ・みつまたが自生していた八女の環境から、この地域が手すきに適していると考え、越前国(現福井県)に伝わる紙の技術を1595(文禄4)年に伝えたと言われています。
(2)八女和紙の特徴
和紙の三大原料はこうぞ・みつまた・がんぴですが、八女手すき和紙はこうぞを原料として作られています。九州の温暖な気候で育ったこうぞは繊維が長く丈夫な紙ができます。これが八女和紙の特徴です。
こうぞはクワ科の植物で成長が早く、1年で3メートルぐらいになります。八女地方には昔からこうぞが自生しており、昔は地元でも収穫できましたが、現在では近郊の熊本県山鹿産のこうぞを仕入れて使っています。八女ではこうぞのことを「かご」とも呼んでいます。
(3)手すき和紙づくり
和紙づくりは、12の工程を経て作業の多くは人の手によって作られています。その工程では、多くが原料であるこうぞの下処理に費やされています。
八女手すき和紙
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